富士通 FMV-DESKPOWER S(FMV-5100D5) (1995年11月)

マシンの近状

入手時期は不明…。電源が入らない本体でしたが、電源交換して復活。
HDD、CDドライブも死亡していました。 マザーが生きていたのはある意味奇跡かも。
SDカードのIDE変換アダプタに交換して、Windows95をインストールして動かせる状態となりました。
と思ったらベンチマーク動作中にオンボードのビデオが死亡。BIOSも立ち上がらない状態となり、
マザーもFMV-DESKPOWER SE(FMV-5133DPS)へ交換となりました。オリジナル状態が残っていない...。

富士通 FMV-DESKPOWER S(FMV-5100D5)について

富士通が低価格で色々なプリインストールソフトをいれたパソコンシリーズです。
この世代のモデルはWindows 95の発売に合わせて出荷された1995年冬モデルで爆発的に売れたモデルです。

ただ自分のFMV-5100D5ですが、マザーのATIのビデオチップが死亡して起動しない状態に。
マザーぐらいしか使えない部品取りのFMV-5133DPSからマザー移植して、スペックアップしました。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。
こちらがオリジナルの1995年冬モデルのFMV-DESKPOWER S(FMV-5100D5)のカタログです。

そして現在使用しているマザーの1996年夏モデルのFMV-DESKPOWER SE(FMV-513DPS)のカタログです。


FMV-DESKPOWER H(FMV-575D4)と比較すると以下の通り。

  FMV-DESKPOWER H
FMV-575D4
FMV-DESKPOWER S
FMV-5100D5 モデルDPS
FMV-DESKPOWER SE
FMV-5133DPS
発売日 1995年3月 1995年11月 1996年6月
CPU Intel Pentium 75MHz (P54C)
Intel Pentium 100MHz (P54C)
Intel Pentium 133MHz (P54CS)
FSB 50MHz 66MHz
チップセット ALI Aladdin (M1451+M1449) ALI Aladdin 2 (M1511+M1512)
セカンドキャッシュ 15ns SRAM 256KB PBSRAM 256KB
RAM FPM DRAM 8MB
最大 128MB
EDO DRAM 8MB
最大 128MB
EDO DRAM 16MB
最大 128MB
ビデオカード Cirrus Logic CL-GD5434
FPM DRAM 2MB
(オンボード)
ATI Mach64 CT
FPM DRAM 2MB
(オンボード)
ATI Mach64 VT
EDO DRAM 2MB
(オンボード)
モデム - DATA/FAX 14.4Kbps (オンボード) DATA/FAX 28.8Kbps (オンボード)
PCI/ISA PCI 1スロット(1)
PC/ISA 1スロット(1)
ISA 2スロット(1)
HDD 540MB 1GB 1.2GB
光学ドライブ CD-ROMドライブ
USB 無し
電源 AT電源 AT電源 (シャットダウン機能付き)
OS Windows 3.1 Windows 95
Windows 3.1
Windows 95

D4時代とD5時代はスペックは似ていますが、チップセットがALI Aladdin (M1451+M1449)からALI Aladdin 2(M1511+M1512)へ変更され、
ビデオチップがCirrus LogicからATI Mach64 CTに変更されたのが違いです。

さらに1996年夏モデルでは、セカンドキャッシュがパイプラインバーストSRAMへ、
ビデオチップがVRAMがFP-RAMのATI Mach64 CTからEDO-RAMとなったATI Mach64 VTに変更されました。
Windows 95時代に合わせたパフォーマンスアップのハードウェア変更という感じでしょうか。

富士通 FMV-DESKPOWER S(FMV-5100D5/FMV-513DPS)の現在の仕様

CPU Intel Pentium 133MHz
(FSB 66MHz)
チップセット ALi Aladdin 2 (M1511+M1512)
セカンドキャッシュ PB SRAM 256KB
メモリ EDO SIMM 64MB (32MB x 2)
ビデオ ATI Mach64 VT EDO-RAM 2MB (オンボード PCI接続)
LAN BUFFALO LGY-PCI-TL 10BASE-T (RealTek RTL8020AS)
サウンド Creative Sound Blaster 16 PnP (ISA)
HDD SD-IDE SD to IDE SD 2GB
光学ドライブ MITSUMI CD-ROM FV120T
OS Microsoft Windows 95 OSR2

2025年にWindows 2000の環境が不調だったこともあり環境再構築で、オリジナルと言うべきWindows95環境に戻しました。
やはりこちらの方がはるかに軽快ですね。

フロント側
外観は先代のDESKPOWERから変更ありません。

リア側。
LANカードを増設しています。.

モデル名とモデムカードの部分。
現在モデムカードはリソースを消費させないために取り外しています。(無効化機能なし)
1995年12月製造なので、初期追加製造分ですね。

HDDは、SDカードをIDEデバイスとして認識させる基盤を使いました。
SDカードは、IDEの認識上限である8GBを取り付けています。
カード自体は、元々のHDD取付スペースだと高さが足りないので、増設用HDDスペースに取り付けています。

マザーボードの写真
左上の電源の下にはモデムカードが追加されています。
モデムカードはマザーに追加されているのはこのモデルの時はCRT一体型のCとCX、このSのみでした。
インターネット需要が増えたことから1996年春モデルは搭載モデルを増やし、
1996年夏モデルではDESKPOWER S系は全モデルとなりました。
しかし当時はモデムの急成長の時代。この時は14.4Kbpsでしたが、1年後は33.6Kbpsと速度アップしています。
結果的に56kbpsまで速度アップしているので速いモデムを付けるとなると邪魔な存在。
基本的に取り外し不可でハードウェアを無効化もできないのでリソース的にも邪魔な存在。
結果的に1996年冬モデルでサウンドブラスターをオンボード化、モデムをISAカード化と逆転することになりました。

マザーボード部分。
右側(前側)はCPUとメモリ関係。左下がチップセットとビデオとBIOS。
左上のSMCのチップはi/Oコントローラーという構成です。

上記右上拡大の写真。
CPUの二次キャッシュ用のスペースです。
2つチップが貼られていないスペースがありますが、PBS-HIとPBS-LOと書かれているので
ハイプラインバースト(Pipeline Burst)SRAM用のスペースかと思われます。
ハイプラインバーストSRAMを搭載したモデルは次の世代(1996年秋モデル)からありますが、FMV-5100D5時代にも実装可能だったのですね。

ちなみに写真上の8個のチップは、EtronTech製のEM51M256A-15Jというチップが使われていて、256Kbit(32KB)、15nsのSRAMの様子です。
8個使われているので 32KB x 8個 = 256KBとなります。

サウンドカードです。SoundBlaster 16 PnPですね。
モデムの出力対応のためか、簡素版のVibra 16ではなく、旧型のIDE省略版の感じです。


CPU-Z Vintage Edition 測定結果

Windows 95系で動作する「CPU-Z Vintage Edition」を動作させてみました。
まずCPUの純正状態。

そしてPentium 133MHzに変更した状態。
P54CからP54CSに変わっています。
プロセスルールが0.6μmから0.35μmと結構小型化されていますね。

チップセットはALiの1511と1513という事が判ります。
BIOSは1994年1月1日らしい。 こちらは新しいマザーでね内容変わらず。

HWiNFO32測定結果

こちらも取得できる情報は少ないです。
こちらもCUP-Zと同じくL2キャッシュの認識はされていないですね。

HDBENCH測定結果

NDBENCH 3.3.0でIntel Pentium 133MHz、ATI Mach64 VT、SDカードでの測定結果です。

FMV-575D4と比較するとこのような感じ。CPUは順当な差となっています。
グラフィックは得意不得意があるのか? HDDはCPUのクロックに影響している様子。

モデル   FMV-575D4 FMV-5100D5(FMV-513DPS) 倍率
CPU   Intel Pentium 100MHz Intel Pentium 133MHz
 
ビデオカード   Cirrus Logic CL-GD5434 2MB
ATI Mach64 VT 2MB
 
HDD   SD MLC 2GB SD MLC 4GB  
ALL   3187 4133 1.30倍
CPU Integer 3853 5119 1.33倍
Float 2868 3810 1.33倍
Memory Read 2040 2761 1.35倍
Write 3066 2242 0.73倍
Read/Write 2230 4280 1.92倍
Video Rectangle 2351 2546 1.04倍
Text 1499 3129 2.09倍
Ellipse 478 470 0.98倍
BitBlt 13 9 0.69倍
DirectDraw 1 1 1.00倍
HDD Read 6169 8210 1.44倍
Write 4201 5305 1.33倍
Copy 3093 3767 1.21倍

CrystalMark測定結果

CrystalMarkの最後のWindows95対応版で測定した結果です。
Intel Pentium 133MHz、ATI Mach64 VT、SDカードでの測定結果です。

FMV-575D4と比較。
CPUは順当にクロック相応の1.3倍にHDDは純粋にCPUのクロックアップ効果が出ている感じです。
メモリはFMV-
。メモリはセカンドキャッシュ、メモリ共にスペック的な違いはいのですが、
CPUのキャッシュ増量やチップセットの改良かもしれません。
HDDの速度が同じSDなのに向上していること、IDEコントローラーの性能が向上したのかもしれません。(DMAにはまだ規格化前)

モデル   FMV-575D4 FMV-5100D5(FMV-513DPS) 倍率
CPU   Intel Pentium 100MHz Intel Pentium 133MHz
 
ビデオカード   Cirrus Logic CL-GD5434 2MB
ATI Mach64 VT 2MB
 
HDD   SD MLC 2GB SD MLC 4GB  
CrystalMark   2006 2521 1.42倍
ALU   274 356 1.67倍
FPU   277 350 1.65倍
MEM   112 122 1.09倍
Read 36.19 MB/s ( 36 ) 49.75 MB/s ( 49 ) 1.36倍
Write 35.79 MB/s ( 35 ) 25.00 MB/s ( 25 ) 0.71倍
Read/Write 15.31 MB/s ( 15 ) 23.11 MB/s ( 23 ) 1.53倍
Cache 43.82 MB/s ( 4 ) 31.94 MB/s ( 3 ) 0.75倍
HDD   1110 1463 1.32倍
Read 5.82 MB/s ( 232 ) 7.86 MB/s ( 314 ) 1.35倍
Write 3.98 MB/s ( 159 ) 5.00 MB/s ( 200 ) 1.25倍
RandomRead512K 5.63 MB/s ( 225 ) 7.52 MB/s ( 300 ) 1.33倍
RandomWrite512K 3.82 MB/s ( 152 ) 4.84 MB/s ( 193 ) 1.27倍
RandomRead 64K 5.14 MB/s ( 205 ) 6.77 MB/s ( 270 ) 1.32倍
RandomWrite 64K 3.43 MB/s ( 137 ) 4.67 MB/s ( 186 ) 1.36倍
GDI   71 72 1.01倍
D2D   147 145 0.99倍
OGL   15 13 0.87倍

コメント

この世代のFMVはWindiows 95登場時に売れたモデルという事もあり、いろいろと改造して延命していた方が多かった様子です。
まあメモリを増設すればWindows Meまでは使えたと思います。
ただこの後の5年間はパソコンの普及に伴い、急激な技術進歩があるのでWindows95時代のハードは
2000年頃になると遺物的なハードなってしまうのですよね。

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