富士通 FMV-DESKPOWER SⅢ23 (1997年6月)

マシンの近状

所有期間:2025年2月〜
ジャンク品購入です。電源投入したらBIOS画面が動かない。
ファンの動作などから電源系が怪しいと正常品のATX電源と交換してみしたら無事起動しました。
Windows NT 4.0にして業務に使っていたらしく、何もみなかった事としてHDDはフォーマットしました。
ATX電源が使えたことは朗報でした。AT電源だと部品取りから移植するしかないので。

富士通 FMV-DESKPOWER SⅢ23について

富士通のFMV-DESKPOWERの1997年夏モデルのハイエンド・デスクトップモデルとして初のIntel Pentium II搭載のモデルが発売されました。
またケースとしてもNLX規格を採用したケースを利用し、電源はATX電源、マザーは横から取り外し可能とメンテナンス性を考慮したケースとなっています。
定価は52万円と凄い価格ですが...。

PC Watch : 富士通、DESKPOWERシリーズをモデルチェンジ。ほぼ全機種にMMX搭載

次のモデルでは、Intel 440LX AGP setに変更された為、SIII23に搭載されたマザーは1代限りのマザーとなります。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。

先代のFMV-DESKPOWER SII165と比較すると以下の通り。
Pentium世代とPentium II世代で別物ですが、チップセットがPentium Pro時代の440FXなので メモリなどがPentium世代と変わらない状態。
FMV-DESKPOWER SⅢ23の価格が52万3千円とFMV-DESKPOWER SII165から比較すると18万円増しと効果です。
大半がPentium IIとCD-Rでしょうが。
ちなみにFMV-DESKPOWER SⅢのPentiumモデルはRAMが高速なSDRAMを搭載したが、Pentium IIはEDO-RAMと逆転している状態に。

  FMV-DESKPOWER SII165
FMV-S2165
FMV-DESKPOWER SⅢ23
FMV-S323
発売日 1997年2月(1997年春モデル) 1997年6月(1998年夏モデル)
標準価格 (税別) 343,000円 (Wordモデル) 528,000円 (Wordモデル)
CPU Intel MMX Pentium 166MHz (P55C)
Intel Pentium II 233MHz (Kamath)
セカンドキャッシュ 256KB パイプラインバーストSRAM
(UMC UM61L3232AF-7 32bit幅)
512KB (CPU内蔵 116MHz)
チップセット Intel 430HX PCI set Intel 440FX PCI set
RAM EDO-SIMM 32MB
最大 128MB
ビデオカード ATI 3D RAGE II 2MB
(オンボード)
ATI 3D RAGE II+ 2MB
(オンボード)
サウンドカード Creative SoundBlaster 16
(オンボード)
Creative SoundBlaster AWE64
(ISAカード)
モデム DATA 33.6Kbps ISAカード DATA 56Kbps ISAカード
PCI/ISA PCI 1スロット(1)
PC/ISA 1スロット(1)
ISA 2スロット(1)
PCI 1スロット(1)
PC/ISA 1スロット(1)
ISA 2スロット(0)
HDD 2.1GB 3.2GB
光学ドライブ 8倍速 CD-ROMドライブ 読込み8倍、書込み2倍速 CD-Rドライブ
USB USB 1.0 x 2 (リア2)
電源 AT電源 (シャットダウン機能付き) ATX電源
OS Windows95 OSR2

富士通 FMV-DESKPOWER SⅢ23の現在の仕様

CPU Intel Intel Pentium II 233MHz (Kamath)
(FSB 66MHz)
チップセット Intel 440FX
メモリ EDO RAM 128MB
ビデオ ATI 3D RAGE Ⅱ+ PCI 2MB
サウンド Creative Sound Blaster AWE64 Compatible
LANカード BUFFALO LGY-PCI-TXD
HDD WesternDigital 3.2GB HDD
光学ドライブ TEAC CD-Rドライブ CD-W516EB (ロジテック販売品)
OS Microsoft Windows 98 Second Edition

メモリは、入手時から最大の128MBを搭載していました。
入手時に電源が入らなかったので別のATX電源をつなげた所、正常に起動した為、電源の故障の様子でした。
前に使用していたユーザーはWindows NTをインストールして使用していて、電源故障で倉庫に長期眠っていた様子です。
HDDの認識で何がある為、3.2GBのHDDを取り付け。これで起動させる事にしました。

本体のフロントパネル側。
NLX規格のケース化に伴い、FDDの位置が真ん中に移動したのが外見上の特徴です。
従来の増設HDD用スペースだとカードの取り付けスペースが制限される為と思われます。

リアパネル側。
電源が死亡していた為、ATX電源で動作確認した後、同タイプの部品取りから移植して交換しました。
本来はモデムが一番上のスロットについているのですが、使用することはないので外しました。


本体内部です。
NLX規格だとライザーカードの関係で拡張カードの位置が中央になっています。
マザーボードのメンテナンス性は良いかもしれないけど、PCIカードなどを頻繁に付け替えする場合は間違いなく不便に。

サイド側から。PentiumIIが居座っています。

NLX規格の特徴としてメインボードは横から簡単に取り出せるという所でしょうか。
電源、IDE、FD、電源ボタン、ランプ類の接続はライザーカードに付いています。

メインボードを上から。
チップがない場所は、ビジネスモデル用のイーサーネット関係と思われます。

Pentium IIです。233MHzです。
セカンドキャッシュをCPUコアに内蔵出来なかったのでCPUとセカンドキャッシュをカートリッジにしたのがCPUのスロット化の理由です。
その後、1チップ化出来た事からソケットタイプへ戻っていきますが。

チップセットとメモリ回り。
Pentium Pro用で設計された、440FXチップセットですが、当初はSDRAMがなかったので旧来のEDO-RAMを採用しています。
SDRAMを採用した440LXは製品化に間に合わなかっので1代限りの構成となっています。
まあAcerのOEMだったので、Acerなどが他で作っていると思われますが。

ビデオカード周り。
AGPは無いのでPCI接続でATI 3D RAGE II+となっています。
チップをよく見ると3D RAGE II+DVDと書かれているので本来の+は+DVDの意味かなと思います。

あとこのケースはメンテナンス性も向上していて、HDDも横から取り出せるようになりました。
写真はHDDを搭載していない状態です。

BIOS画面です。
Acer製のBIOSです。

システム情報。
EDO-RAM SIMM なので2枚ずつの増設となります。

システム情報の2ページ目。
BIOSバージョンが V3.0 となっています。


CPU-Z Vintage Edition 測定結果

Windows 95系で動作する「CPU-Z Vintage Edition」を動作させてみました。
CPUは細かな情報がみれています。

キャッシュの情報。
スロット型のPentium2は、動作クロックの半分で動作する(233MHzなので116.5MHz)セカンドキャッシュを搭載しています。

マザーボードの情報
チップセットとBIOSの日付だけでした。

メモリ
EDO-RAMの128MBです。

ビデオ
ATI Rage II 表示です。正確にはATI Rage II+ですが。

HWiNFO32測定結果

CPU以外はHWiNFOの方が細かいのでこちらも動作させます。
サマリーの情報は情報が少ない。


HDBENCH測定結果

NDBENCH 3.3.0で128GB SSDでの測定結果です。

FMV-SII165と比較してみるとメモリとビデオはスコアが逆転しているところがあります。
SDと当時のHDDだとSDの方が速いという事が判ります。

モデル   FMV-SII165 FMV-SⅢ23 倍率
CPU   Intel MMX Pentium 166MHz
Intel Pentium II 233MHz  
RAM   EDO RAM 64MB EDO RAM 128MB  
ビデオカード   ATI 3D RAGE II PCI 2MB
ATI 3D RAGE II+ PCI 2MB
 
HDD   SD MLC 4GB HDD 3.4GB  
OS   Windows95 OSR2 Windows98 SE  
ALL   5794 4871 0.84倍
CPU Integer 6403 9346 1.45倍
Float 4909 9820 2.00倍
Memory Read 5266 5015 0.95倍
Write 4811 4708 0.97倍
Read/Write 2945 6857 2.32倍
Video Rectangle 5168 5541 1.07倍
Text 6777 10765 1.59倍
Ellipse 1158 919 0.79倍
BitBlt 27 142 5.25倍
DirectDraw 3 14 4.66倍
HDD Read 12362 7172 0.58倍
Write 5707 4197 0.73倍
Copy 5163 1311 0.25倍

CrystalMark測定結果

CrystalMarkの最後のWindows98対応版で測定した結果です。

MMX Pentium 166MHzのFMV-SII165と比較。
CPUはクロック的には1.6倍だけど結果としては1.78倍なので性能的には向上しています。
メモリは読み込みが150MB/s台となっているのはPentium IIの512KBのキャッシュ効果と思われます。
HDDはSDカードと当時のHDDのスペック差が出ていると思われます。SDは以外に速いな。

モデル   FMV-SII165 FMV-SⅢ23 倍率
CPU   Intel MMX Pentium 166MHz
Intel Pentium II 233MHz  
RAM   EDO RAM 64MB EDO RAM 128MB  
ビデオカード   ATI 3D RAGE II PCI 2MB
ATI 3D RAGE II+ PCI 2MB
 
HDD   SD MLC 4GB HDD 3.4GB  
OS   Windows95 OSR2 Windows98 SE  
CrystalMark   3833 4258 1.11倍
ALU   471 840 1.78倍
FPU   473 847 1.79倍
MEM   205 375 1.82倍
Read 65.91 MB/s ( 65 ) 150.78 MB/s ( 150 ) 2.30倍
Write 70.95 MB/s ( 70 ) 68.71 MB/s ( 68 ) 0.97倍
Read/Write 41.78 MB/s ( 41 ) 60.03 MB/s ( 60 ) 1.46倍
Cache 79.10 MB/s ( 7 ) 753.64 MB/s ( 75 ) 10.71倍
HDD   2015 1097 0.54倍
Read 11.81 MB/s ( 472 ) 6.92 MB/s ( 276 ) 0.58倍
Write 5.42 MB/s ( 216 ) 4.33 MB/s ( 173 ) 0.73倍
RandomRead512K 11.64 MB/s ( 465 ) 6.10 MB/s ( 244 ) 0.52倍
RandomWrite512K 5.74 MB/s ( 229 ) 3.98 MB/s ( 159 ) 0.69倍
RandomRead 64K 10.59 MB/s ( 423 ) 3.09 MB/s ( 123 ) 0.29倍
RandomWrite 64K 5.26 MB/s ( 210 ) 3.06 MB/s ( 122 ) 0.58倍
GDI   158 202 1.27倍
D2D   483 835 1.72倍
OGL   28 62 2.21倍

コメント

1997年夏モデルで搭載されたPentium IIモデルですが、440FXを使用したためにメモリがEDO RAMがSIMM4スロットで最大128MBと制限された事。
その意味では過渡期のハードと言えます。
CD-Rを初搭載とはいえ、当時のアフター品は5万円程度と思われます。+15万円程度がPentium II周り...。
正直価格差を考慮すると新品を購入した方はよく買ったなぁと。(汗

1998 - 2025 Atelier Nii all rights reserved.