Gateway FX6800-03j (2008年12月発売)

マシンの近状

一度手放してしていましたが、コレクションで再び。
Gateway FX6850を購入したときに、比較と興味本位で。
2025年に久々に動作させて、Windows 11にアップデートしました。

Gateway FX6800-03jについて


クリックするとカタログPDFが表示されます。

2008年12月にGateway FXシリーズのIntel Core i7搭載モデルとして登場しました。
日本の初めてのGateway FX7028jが2008年3月でしたので、1年間で3種類のケースと慌ただしい時代でした。
第一世代のCore i7は、2008年11月16日正式発表と同時にGateway FX6800が発表され、
12月上旬に発売開始だったので、結構先陣を切ったモデルとも言えます。

米国ゲートウェイ社、インテル® CORE i7 920プロセッサー搭載 FXシリーズ新製品「FX6800-03j」を発表

ASCII.jp : Core i7搭載パソコン 先陣を切ったのはこの4社!

ただ、第一世代は色々と過渡期だったCPUで、Core 2時代と第二世代のCore i7とは違ったハードウェアでした。
第一世代はメモリインターフェースをCore 2までのチップセットからCPUへ内臓。
チップセットとのインターフェースをCore 2までのパラレル通信のFSB(Front Side Bus)から、
シリアル通信のQPI(QuickPath Interconnect)と変更されました。
第一世代はノースブリッジにつなぐ想定の設計となっていて、PCI-Expressはノースブリッジ上で管理されていましたが、
第二世代は、PCI-Expressコントローラーも内蔵して、QPIの概念は無くなり、直接USBやSATA等を制御するサウスブリッジへ接続となり、
ノースブリッジとサウスブリッジを接続するDMIインターフェスでコントロールされる形となります。

チップセットは、当時Intel X58 Expressのみでしたので、このチップセットを採用しています。
この為、日本で発売されたGateway FXシリーズでは唯一のSLI対応マザーである事です。(マイナーチェンジのFX6801含む)

ただ、拡張スロットが4スロットというMicro ATX仕様のため、ギリギリな設計になっています。
ちなみにAcer Aspire M7720という姉妹モデルが日本国内でも販売されていました。

Acer Aspire M7720はGateway FX6800とスペックはHDDの容量違い(640GBと1TB)程度でした。

Gateway FX4710-JB002Aと比較すると以下の通り。

  FX4710-JB002A FX6800-03j
発売日 2008年7月 2008年12月
マザー Foxconn G33M05G1 Foxconn TBGM01
CPU Intel Core 2 Quad Q9450
Yorkfield
4コア
2.66GHz/L2 6MBx2
Intel Core i7-920
Bloomfield
4コア 8スレッド
2.66GHz/L3 8MB
チップセット Intel G33 Express Intel X58 Express
RAM DDR2-667MHz 4GB
最大8GB (64bit時)
DDR3-1066MHz 6GB
最大24GB
ビデオカード NVIDIA
GeForce 9800 GT OC仕様
GDDR3 512MB 256-bit
ATI
Radeon HD 4870
GDDR5 1GB 256-bit
PCI-Express PCI-Express 1.1
x16 1スロット(0)
X1 1スロット(1)
PCI 2スロット(1)
PCI-Express 1.1
x16 2スロット(1)
X2 1スロット(1)
X1 1スロット(0)
SATA SATA 2.0×4 SATA 2.0×6
HDD 640GB 1TB
光学ドライブ スーパーマルチ
DVD±RWドライブ (DL対応)
USB USB2.0×6 USB2.0×8
IEEE 1394 6ピン×2
ネットワーク RJ-45コネクタ×1
(1000BASE-T LAN)
RJ-45コネクタ×1
(1000BASE-T LAN)
電源 400W 750W
OS Windows Vista
Home Premium SP1 32bit 
Windows Vista
Home Premium SP1 64bit 

Gateway FX7028jとGateway FX4710-JB002Aの当時販売価格は129,800円、Gateway FX6800-03jは149,800円と2万円違いです。
ちなみにAcer Aspire M7720は16万円程度のとの事です。
当時としては比較的お買い得だったかもしれません。

Gateway FX6800-03jの現在の仕様

太文字がノーマルでは無いところです。

項目 メーカー名 名称
マザー Foxconn TBGM01
CPU Intel Intel Core i7-960
(3.2GHz/L3 8MB)
チップセット Intel X58 Express
RAM DDR3-1066 24GB (4GB×6)
Video ATI/AMD (ZFX) Radeon HD 7850
GDDR5 1GB 256-bit
HDD Seagate ST1000DM003(1TB)
光学ドライブ Hitachi-LG Data Storage GH40F (スーパーマルチ)
電源 純正 750W
OS Microsoft Windows 11 Pro 24H2

Gateway FX4710-JB002Aと比較です。
ケースサイズは大きくなりました。

フロントにはヘッドフォン、マイク、IEEE1394の端子、
その下側にSATA用のハードディスクトレイが用意されています。
このハードディスクトレイは、FX6850、FX6860で重宝しました。

リア側。

ケース内。

購入時は HDDが無い以外は純正状態でしたが、メモリエラーが発生したので4GB-DIMMのメモリへ交換して最大サイズの合計24GB、
CPUも最上位モデルCore i7-960へ交換、HDDを付けてWindows 10 Proをインストールし、その後Windows 11 Proへ裏技アップデートしました。
CPUもこの世代のCore i7は安くなっているので最上位の3.2GHz駆動のCore i7-960に交換しました。

ゲーマーPCとして肝心のビデオカードであるATI Radeon HD 4870用のドライバーがWindows 8用の13.1(2013年1月)で提供終了。
ライフタイムは約5年ですね。結構短命だ…。
この前モデルのFX4710に搭載されていたGeForce 9800 GTは2016年12月の342.01が最終なので、AMD(ATI)のライフタイムは短いかなと思います。
パフォーマンスもですが、長く使えるようにサポートするのも重要と思います。
Windows 10ではマイクロソフトのRadeon HD 4870用の標準ドライバーで動作している状態だったので、
手元にあった最新ドライバーに対応しているXFX製のRadeon HD 7850 2GBに交換しました。

こちらは2012年製ですが、ドライバーは最新が提供されています。

CPU-Z測定結果

CPU-Zの測定結果です。
CPUはCore i7-920からCore i7-960にアップデートしています。
3.2GHz動作で、4コア、8スレッドです。

マザーボードはFoxconn製TBGM01です。
BIOSはAMI製でバージョンはR01-A4です。

メモリーはDDR3-1066 (533MHzx2倍)で24GBです。

GPU-Z測定結果

GPUの詳細です。
AMD Radeon HD 7800です。


HWiNFO64測定結果

マザーボードはFoxconn製TBGM01です。
BIOSはレガシーBIOSでバージョンはR01-A4です。

HDBENCH測定結果

NDBENCH 3.3.0での測定結果です。

Gateway FX4710-JB002Aとの比較です。
メモリ構造が変わっているのでその部分のパフォーマンスアップは大きいですね。
CrystalMarkは全般的に差が出ているので計測方法の違いが出ていると思われます。

モデル   Gateway FX4710-JB002A Gateway FX6800-03j 倍率
CPU   Intel Core 2 Quad Q9450
(4 Cores, 4 Threads/2.66GHz)
Intel Intel Core i7-960
(4 Cores, 8 Threads/3.2GHz)
1.20倍
チップセット   Intel G33 Express Intel X58 Express  
RAM   DDR2-800 8GB DDR3-1066 24GB  
ビデオカード   NVIDIA GeForce GTX 660 Ti AMD Radeon HD 7850  
HDD   500GB HDD 1TB HDD  
OS   Windows 10 Pro 22H2 Windows 11 Pro 64bit 24H2  
ALL   145828 231627 1.58倍
CPU Integer 745178 824693 1.10倍
Float 751059 789094 1.05倍
Memory Read 395724 563865 1.42倍
Write 204953 533759 2.60倍
Read/Write 406834 1020210 2.50倍
Video Rectangle 3464 7183 2.07倍
Text 3388 9365 2.76倍
Ellipse 2577 10080 3.91倍
BitBlt 258 5084 19.70倍
DirectDraw 60 61 1.01倍
HDD Read 27075 152154 5.61倍
Write 30621 89666 2.92倍
Copy 1377 3778 2.74倍

CrystalMark測定結果

CrystalMarkで測定した結果です。

Gateway FX4710-JB002Aと比較。
CPUとメモリで極端な差が出ました。

モデル   Gateway FX4710-JB002A Gateway FX6800-03j 倍率
CPU   Intel Core 2 Quad Q9450
(4 Cores, 4 Threads/2.66GHz)
Intel Intel Core i7-960
(4 Cores, 8 Threads/3.2GHz)
1.20倍
チップセット   Intel G33 Express Intel X58 Express  
RAM   DDR2-800 8GB DDR3-1066 24GB  
ビデオカード   NVIDIA GeForce GTX 660 Ti AMD Radeon HD 7850  
HDD   500GB HDD 1TB HDD  
OS   Windows 10 Pro 22H2 Windows 10 Pro 64bit  
CrystalMark   139961 241543 1.75倍
ALU   46337 75728 1.63倍
FPU   31295 58903 1.88倍
MEM   23640 46098 1.95倍
Read 9425.74 MB/s ( 9425 ) 15571.69 MB/s ( 15571 ) 1.65倍
Write 4260.14 MB/s ( 4260 ) 8253.04 MB/s ( 8253 ) 1.93倍
Read/Write 3996.67 MB/s ( 3996 ) 8355.02 MB/s ( 8355 ) 2.09倍
Cache 59372.23 MB/s ( 5937 ) 138973.90 MB/s ( 13897 ) 2.34倍
HDD   3350 8579 2.56倍
Read 42.20 MB/s ( 1688 ) 71.64 MB/s ( 2865 ) 1.69倍
Write 20.34 MB/s ( 813 ) 48.61 MB/s ( 1944 ) 2.39倍
RandomRead512K 9.79 MB/s ( 391 ) 35.04 MB/s ( 1401 ) 3.50倍
RandomWrite512K 7.72 MB/s ( 308 ) 44.77 MB/s ( 1790 ) 5.81倍
RandomRead 64K 0.80 MB/s ( 32 ) 4.24 MB/s ( 169 ) 5.28倍
RandomWrite 64K 2.95 MB/s ( 118 ) 10.26 MB/s ( 410 ) 3.47倍
GDI   8308 8828 1.06倍
D2D   8631 4370 0.50倍
OGL   18400 39037 2.12倍

GeekBench Score

CPUの性能を測定する定番のベンチマークです。
Gateway FX4710と比較するとCore 2 QuadとCore i7では同クロックでは1.2倍ですが、
ベンチマーク結果は1.4倍台となっていてメモリなどの要素で多少のパフォーマンスアップの様子です。
マルチコアになるとハイパースレッディングが生きてCore 2 Quadの1.7倍となってきます。

Model   Gateway FX4710-JB002A Gateway FX6800-03j 倍率
CPU Name Intel Core 2 Quad Q9450
(4 Cores, 4 Threads/2.66GHz)
Intel Intel Core i7-960
(4 Cores, 8 Threads/3.2GHz)
1.20倍
Memory Size DDR2-800 8GB DDR3-1066 24GB  
GeekBench 6
(Intel Core i7-12700 = 2500)
Single-Core Score 367 526 1.43倍
Multi-Core Score 1093 1837 1.68倍
GeekBench 5
(Intel Core i3-8100 = 1000)
Single-Core Score 408 595 1.45倍
Multi-Core Score 1369 2369 1.73倍
GeekBench 4
(Intel Core i7-6600U = 4000)
Single-Core Score 1868 2801 1.49倍
Multi-Core Score 5573 9683 1.73倍
GeekBench 3
Single-Core Score 1585 2394 1.51倍
Multi-Core Score 5434 9580 1.76倍

CINEBENCH

3DツールのCINEMA 4Dを開発しているMAXON社の動作パフォーマンスを測定するベンチマークです。
GeekBenchと同様のパフォーマンス差が出ていますね。

Model   Gateway FX4710-JB002A Gateway FX6800-03j 倍率
CPU   Intel Core 2 Quad Q9450
(4 Cores, 4 Threads/2.66GHz)
Intel Intel Core i7-960
(4 Cores, 8 Threads/3.2GHz)
1.20倍
Memory   DDR2-800 8GB DDR3-1066 24GB  
CINEBENCH R23.2 (2024年) CPU (Multi Core) 1562 pts 2667 pts 1.70倍
CPU (Single Core) 407 pts 524 pts 1.28倍
CINEBENCH R20 (2019年) CPU 624 pts 1034 pts 1.65倍
CINEBENCH R15 (2013年) CPU 290 cb 489 cb 1.68倍
CINEBENCH R10 (2007年)
Single CPU 3260 CB 4796 CB 1.47倍
Multiple CPU 11330 CB 18849 CB 1.66倍

Unigine Superposition

Unigineが2017年に公開したベンチマークソフトです。
メモリ負荷がかかるほどGeForce GTX 660 TIの方が良い結果となっています。
720P LOW RESULTでは、Radeon HD 7850が3000差で勝っているのでShaderの特性の違いでしょうか。

Model FX4710-JB002A FX6800-03j 倍率
CPU Intel Core 2 Quad Q9450 Intel Core i7-960 1.20倍
GPU NVIDIA
GeForce GTX 660 Ti
GDDR5 2GB
ATI
Radeon HD 7850
GDDR5 2GB
 
1080P EXTREME RESULT (VRAM 3322MB) 745 861 1.15倍
1080P HIGHT RESULT (VRAM 3320MB) 2274 2140 0.94倍
1080P MEDIUM RESULT (VRAM 1299MB) 3417 3167 0.92倍
720P LOW RESULT (VRAM 643MB) 5901 8912 1.51倍

コメント

今、FX6800のブート画面、BIOSを見るとIntelマザー時代、FX6850以降などと比較すると起動時にデバイスの起動表示等や設定画面などで
色々と古いBIOSだなと感じます。

1998 - 2025 Atelier Nii all rights reserved.