NEC PC-9801(初代) (1982年10月)

マシンの近状

所有期間:2025年5月〜
実家にも弟所有が1台あるのですが、安価なキーボード付きジャンクがあったので自分用に手に入れました。43年ものです。
2月にとあるハードオフで程度の良いPC-9801を手に入れ損ねたが悔しかって欲しくなったのが一因....。

PC-9801を知ったのはなぜか当時家にあったPC-9801のカタログでした。
初めてPC-9801を触ったのは中学時代に学校にレンタルで設置された時でした。
初代はBASICのグラフィックのラインの描画がRGBのブレーン順とちょっとクセがありましたが、漢字表示が早くこれが初代PC-9801かぁと感じる所でした。
初代PC-9801で動くソフトがほぼ無いので特に使う予定はありませんが。(汗

NEC PC-9801について

NECが16bit CPUのパソコンとして1982年10月にPC-9801という名で発売されました。
写真のように8インチドライブを使う想定だったのか、8インチ 1MB FDDのインターフェース、8インチドライブ用の電源端子が標準装備されていました。
PC-8801との互換性を想定して、5インチ2D用のインターフェースも装備されていました。
またPC-9801は、PC-8801のN88-BASICと互換性を重視した、N88-BASIC(86)を搭載しPC-8801用のプログラムがそのまま動く事、
テキストで漢字表示できるビジネス用途で実用性のあるハードウェアでした。
(ただし漢字ROMはオプションだけど装着されていない事は見た事がない。現実的にはセット販売に近かったと思われます。)
これによって日本のビジネスシーンでPC-9801が普及する要素となりました。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。


PC-9801発売時にHDDも発表されています、5MBのPC-98H31(478,000円)と10MBのPC-98H33(発表時価格未定)がありました。
ただし初代PC-9801はHDDからの起動は対応していない様子で、フロッピーで起動後利用する形だった様子です。

PC-9801のBASICの互換の元となったPC-8801との比較。
当時のPC-9801はPC-8801の周辺機器を継承したもので、BASICもほぼそのまま移行できたので16bir CPUの速いPC-8801の扱いでした。
アセンブラは8bir CPUのZ80と16bitの8086では互換性はなかったですが。

機種名 PC-8801 PC-9801
発売日 1981年12月 1982年10月
価格 228,000円 298,000円
CPU NEC μPD780C-1 4MHz(Z80互換) NEC μPD8086 5MHz (Intel 8086互換)
RAM 64KB 128KB (最大 640KB)
ビデオ 640x200ドット 1画面 デジタル8色
VRAM 48KB
テキストVRAM 4KB (メインRAM内)
640x400ドット 1画面 デジタル8色
GDC搭載 VRAM 96KB
テキストVRAM 8KB

拡張スロット 4スロット Cバス 6スロット (1スロットはROM専用)
FDD - -
端子 デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子
オーディオカセット端子
キーボード端子
デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子
8インチ 2D(1.2MB)用増設FDD端子
キーボード端子
OS N88-BASIC 1.0 N88-BASIC(86) 1.0

NEC PC-9801の現在の仕様

128KBのメモリを追加して640KBにあげました。

CPU Intel 8086 5MHz
メモリ   640KB(オンボード128KB、Cバス512KBメモリボード)
FDD NEC PC-9831-VW2 (外付け3.5インチフロッピードライブ)
OS Microsoft MS-DOS 5.0A、3.3D他 (外付けフロッピー起動)

全体像。
3.5インチドライブを接続してMS-DOS 3.3Dを起動しています。

フロント周り。
キーボードはPC-9801シリーズの中では唯一キーボード端子が異なります。
デジタルRGBやテープレコーダー端子と同じ形状ですね。

リア周り。
拡張スロットは6スロットありますが、1スロットはROMボードで占有済みです。
当時は市場動向次第ではROMアップデートも想定していたのでしょうか。
ROMボードがないとPC-9801は起動しないので注意が必要です。(ジャンク品ではROMがない事が多い)
左上側は8インチドライブ用の電源端子、
下側は左からRGB端子、モノクロ端子、320KB FDD端子、RS-232C端子、プリンター端子、ディップスイッチ、8インチ(1MB) FDD端子となっています。
8インチ FDD端子は、5インチと3.5インチの2HD FDD端子と同じです。

キーボード。
初代のキーボードは、1970年代のキーボード感がありました。
1983年に発売されたPC-9801Fからは薄型に変わりました。



本体内部です。
写真右側に電源、左下側はビデオ関係のサブボード思われます。
写真では隠れていますが下にマザーがあります。
拡張スロットにはメモリボードとROMボードが付いている事が見えます。

マザーボード全体。真ん中に8086 CPUがあります。
写真は、バックアップ電池交換後となります・

Ni-Cd(ニッケル・カドミウム蓄電池)のバックアップ電池は見事に液漏れしていて、周辺を腐食させていました。
近くに重要なICなどがなくてある意味助かっていますが、状況ではこれで壊れたPC-9801はありそうですね。

バックアップ電池交換後。Ni-MH(ニッケル水素電池) に交換しました。
サイズは一回り小さくなりましたが、このサイズのバッテリー取り付け用のホールは用意されていました。
時計も正常に動作を確認。

ベンチマーク結果。
PC-9801でメモリ増設した程度なのにベンチマークのPC-9801比が1.0になっていない。(汗
Dhrystone BenchmarkだとPC-9801DAの1/10という事が判ります。
9年でパフォーマンスは約10倍という感じでしょうか。

機種名 PC-9801
CPU Intel 8086 5MHz
RAM 640KB
CPU Bench 初代PC-9801比 1.23倍
処理時間 55.802秒
64K 初代PC-9801比 0.93倍
64K 処理時間 74.196秒
Dhrystone Benchmark 300000回の処理時間 669秒
1秒間の処理回数 448.43回
PC-9801DA(386/20MHz)比 0.10倍

コメント

発売が1982年なので今から43年前となります。動くものだなぁと思いました。
バックアップ電池が未交換であれば、除去するか、早めに交換した方が良いですね。

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