
マシンの近状
所有期間:2025年3月〜
初めての16bit PCだったPC-9801M2が欲しかったのですが、PC-9801M2はなかなか出て来ず、安価なPC-9801F2を買ってみました。
後で気がついたけど、5インチ2DDメディアが入手困難。
2HDは高いけどまだポチポチ未開封品が出てくるけど、2DDが出てきると争奪戦に。
多分5インチ2Dメディアが入手困難なので、その利用層も争っているのですかね。
結果的に5インチ2DDの動作確認はできず...。
動作品でしたが、その後起動しないPC-9801M2を入手。
こちらは不動となったのですが、電源が壊れた部品取りPC-9801Eを入手。
マザーは生きていたので合体して復活しました。(PC-9801Eはドンガラに)
またPC-9801Eに付属していた1MB FDD I/Fを移植。
外付け3.5インチFDDをつけて無事MS-DOSなどの起動が確認できました。
正直、PC-9801M2があるので立場がない...。
NEC PC-9801F2について
NECが1983年10月にPC-9801の後継機として5インチ2DD(640KB)のフロッピーディスク搭載として発売されました。
PC-9801の時は、5インチ2D(320KB)か8インチ2D(1.2MB)の2択でしたが、PC-9801F2はいきなり5インチ2DD(640KB)搭載。
5インチ2Dが読み込みの互換性もあったので、一気に5インチ2DDが普及していくことになります。
ちなみに2Dと2DDはトラック密度の違いのみで2DDのディスクであれば両対応できます。2HDは磁性体が異なる為、互換性はありません。
ちなみに初代PC-9801、ドライブなしのPC-9801Eは2DD用のI/Fはなく別途入手する必要がありました。
翌年発売のPC-9801Mは、5インチ2HD(1.2MB)を発売しますが、2DDが読めない事でモデルによって読めるメディアがバラバラになります。
この問題を解決したのが、1985年に発売されたPC-9801VM2でした。
5インチ2DDと2HDのデュアル対応で、ソフト資産の面では解決しこのモデル以降は5インチ2HDが主流となっていきます。
互換性重視で
2DDドライブ搭載のPC-9801VFも同時発売されましたが、価格差が小さいこともありこのモデルで5インチ2DD搭載モデルは終了します。
PC-9801F2はある意味過渡期のドライブを搭載したモデルと言えますね。
下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。
PC-9801Fの発売から1年後の1984年10月にHDDをPC-9801シリーズとして初搭載PC-9801F3が発売されました。
フロッピーを1ドライブ削って、空いた5インチベイに10MBのSASIのHDDを搭載しました。
128KBメモリとHDDコントローラーはCバススロットを2スロット消費したので、空きスロットが2スロットなってしまう結末に。
PC-9801F比較すると以下の通り。
機種名 | PC-9801 | PC-9801F2 |
発売日 | 1982年10月 | 1983年10月 |
価格 | 298,000円 | 398,000円 |
CPU | NEC μPD8086 5MHz (Intel 8086互換) | NEC μPD8086-2 8MHz (Intel 8086互換) |
RAM | 128KB (最大 640KB) | 128KB (最大 640KB) |
ビデオ | 640x400ドット 1画面 デジタル8色 GDC搭載 VRAM 96KB テキストVRAM 12KB |
640x400ドット 2画面 デジタル8色 GDC搭載 VRAM 192KB テキストVRAM 12KB |
拡張スロット | Cバス 5スロット |
Cバス 4スロット |
FDD | - | 5.25インチ 2DD(640KB) 2ドライブ |
端子 | デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子 5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子 8インチ 2D(1.2MB)用増設FDD端子 キーボード端子 |
デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子 5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子 5.25インチ 2DD(640KB)用増設FDD端子 キーボード端子 |
OS | N88-BASIC(86) 1.0 | N88-BASIC(86) 2.0 |
NEC PC-9801F2の現在の仕様
メモリはPC-9801M2についていた128KBボードを取り付けて256KBに。512KB増設できるメモリがあれば交換したいところ。
1MB FDDカードを取り付けて、外付け3.5インチドライブを接続してMS-DOSが起動できることを確認しました。
CPUは何やら交換されていたのでベンチマークで見てみるとV30が搭載されていました。
確かポン付けできると思っていたのだけど、下駄を履いている理由は何だったのだろう。
このマザーはコプロセッサ(8087)も搭載されていたので当時(PC-9801E)は事務処理で使われていたのかなと思います。
CPU | NEC | V30(μPD70116) 8MHz |
FPU | Intel | i8087 |
メモリ | 256KB(オンボード128KB、Cバス128KBメモリボード) | |
拡張カード | NEC | PC-9801-15 1MB FDDインターフェイスボード |
NEC | PC-9871 マウスインフェースボード | |
FDD | TEAC | 5.25インチ2DD(640KB) |
OS | Microsoft | MS-DOS 3.3D他 |
フロント周り。
フロッピードライブが大分黄ばみが来ています。
PC-9801Fのドライブは黄ばみやすいですね。
NEC純が多いPC-9801系のドライブの中では珍しいTEAC製ドライブを利用しています。
リア周り。
元々PC-9801F2入手時に付いていたマウス端子とPC-9801Eから移植した1MB FDD端子を付けています。
本体内部の様子。
マザーのCバススロット用の差し込みの前にもう一つ拡張スロットがあり、ここに2DD I/Fが追加されています。
ここからドライブへケーブルが接続されています。
本体前側にあるのは漢字ROMのボードですね。
CPU周り。
右下、装着注意と書かれているのが、NEC V30 CPUを搭載したアクセラレーターボードです。
ベンチマーク結果。
CPUベンチは、V30 8MHzとi8087を搭載と表示されました。
CPUは初代PC-9801(8086 5MHz)の2.31倍、64Kは1.74倍。結構速くなっていますね。
DBenchはPC-9801DA比で0.17倍、FBenchはPC-9801DA比で0.21倍...。
10年近い差は大きい。
PC-9801との比較。動作クロックの違いもですがV30に交換したパフォーマンスが大きいですね。
機種名 | PC-9801 | PC-9801F2 | |
CPU | Intel 8086 5MHz | NEC V30(μPD70116) 8MHz | |
FPU | - | Intel 8087 8MHz | |
RAM | 640KB | 640KB | |
CPU Bench | 初代PC-9801比 | 1.23倍 | 3.31倍 |
処理時間 | 55.802秒 | 29.861秒 | |
64K 初代PC-9801比 | 0.93倍 | 1.74倍 | |
64K 処理時間 | 74.196秒 | 39.305秒 | |
Dhrystone Benchmark | 300000回の処理時間 | 669秒 | 383秒 |
1秒間の処理回数 | 448.43回 | 783.29回 | |
PC-9801DA(386/20MHz)比 | 0.10倍 | 0.17倍 | |
NDP
(Numerical Data Processor) Benchmark |
100000回の処理時間 | - | 190秒 |
1秒間の処理回数 | - | 526.32回 | |
PC-9801DA(386/20MHz)比 | - | 0.21倍 |
コメント
PC-9801M2入手の過渡期に手に入れたPC-9801Fですが、実家の倉庫の肥やし状態になっています。
PC-9801E、PC-9801F、PC-9801Mの3台を見て兄弟機だなと思った次第です。