NEC PC-9801M2 (1984年11月)

マシンの近状

所有期間:2025年6月〜 (最初は1987年4月〜)
当時の振り返りでジャンクなPC-9801M2を手に入れました。
最初のPC-9801M2は1987年に中古で購入しました。多分実家にまだあるはず。
新しく手に入れたPC-9801M2は、BUFFALO製の2MB EMSメモリを増設。
内512KBをメインメモリに1.5MBをEMSメモリとして使えるようにしました。
サウンドボードのPC-9801-26Kも増設。古いゲームを動かすことがあれば...。
(PC-9801VM21やPC-9801VXで十分という話もありますが)
PC-9801M2とPC-9801VM以降のフロッピードライブの音が少し違うのですよね。
PC-9801M2の方が高音でカチンというシーク音が、コレコレと懐かしく思います。

NEC PC-9801M2について

NECが1983年10月にPC-9801の後継機として5インチ2DDのフロッピーディスク搭載のPC-9801F、
1983年11月にフロッピードライブは搭載せず拡張性を重視したPC-9801Eが発売されました。
その後、ライバルの16ビットPCが5インチ2HDを搭載する事から
PC-9801Fが発売されてから1年後の1984年11月に追加されたのがPC-9801M2でした。

PC-9801FとPC-9801Mの違いは、フロッピーが5.25インチ2DD(640KB)から2HD(1.2MB)となり、
128KBのメモリ増設(Cバススロットを1スロット消費)、マウスI/Fが標準装備された点が変更点です。
マザーボードはPC-9801E、PC-9801F、PC-9801Mで共通です。(ただロットによってROMが異なっている様子)

しかしPC-9801M発売から8ヶ月後の1995年7月に後継機のPC-9801VMが発売。PC-9801Mは短命なモデルとなります。
PC-9801Fが1年半に対して、PC-9801Mが半年強だったのでこの当時は5.25インチ2DDが優勢だったと言えます。
またPC-9801Fが1年で2DDの普及が進んでいたのに、2DDが読めないPC-9801Mの2HDドライブは当時の販売上では不利でした。
ヒットモデルとなったPC-9801VMは、2DDと2HDの両方が読み書きできましたで、
過去の資産の2DDとこれからのメディアの2HDの両方が使え、2HDの普及が進むこととなります。
PC-9801VM発売後には5.25インチの2HDが標準になっていましたのでPC-9801VM2と同様の2DD/2HD対応であれば
もう少し販売台数はあったかもしれません。

ちなみにゲームでPC-9801VM以降ですが、基本4096色中16色が基本でしたので、
標準が4096色中8色の初代PC-9801VM2は、PC-9801-24という16色ボードの追加が必須でした。
また標準のRAMサイズは384KBでしたので、640KBにしないとゲームが起動しないことがありました。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。

PC-9801M2の発売の4ヶ月後に、HDDドライブ搭載のPC-9801M3が発売されました。(PC-9801VM4発売の4ヶ月前)
PC-9801F3と同様に、FDDを1ドライブ削り、20MB SASI HDDを搭載した形となります。

PC-9801F2と比較すると以下の通り。

機種名 PC-9801F2 PC-9801M2
発売日 1983年10月 1984年11月
価格 398,000円 415,000円
CPU Intel 8086 8MHz
RAM 128KB (最大 640KB) 256KB (最大 640KB)
ビデオ 640x400ドット 2画面 デジタル8色
GDC搭載 VRAM 192KB
拡張スロット Cバス 4スロット
Cバス 4スロット
1スロットはメモリボードで使用済
FDD 5.25インチ 2DD(640KB) 2ドライブ 5.25インチ 2HD(1.2MB) 2ドライブ
端子 デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子
5.25インチ 2DD(640KB)用増設FDD端子
キーボード端子
デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子
5.25インチ 2HD(1.2MB)用増設FDD端子
キーボード端子、マウス端子
OS N88-BASIC(86) 2.0

NEC PC-9801M2の現在の仕様

メモリを標準の128KBボードを外して、BUFFAKOの2MBメモリを追加。本体の512KB拡張と1.5MBのEMSとして使える形にしました。

CPU Intel 8086 8MHz
メモリ   128KB (純正の128KB RAMボードは取り外し)
BUFFALO EMJ-2000(メインメモリ 512KB + EMS 1.5MB)
FDD NEC 5.25インチ2HD(1.2MB)
OS Microsoft MS-DOS 3.3D、5.0A他

フロント周り。
見た目はロゴとフロッピードライブ以外はPC-9801Fと同じです。

リア周り。
PC-9801Fとの違いは電源横の端子が1MBのフロッピーI/Fに、ファンの横にマウス端子が追加されました。
また拡張スロットの一番上は128KBのメモリボードが付けられています。

カバー開けた状態。
フロッピードライブとインターフェース用のケーブルが横断しているのがPC-9801Mの特徴です。
PC-9801Fの時はFDDのボードが拡張スロットに固定されている形でしたが、PC-9801Mではステーで固定される形になりました。
本体前側にあるカードは漢字ROMカードです。

1MBのFDDインターフェースの近影。
2枚組のカード構成で、ジャンパが多くあれますが、詳細は不明。

PC-9801M2のマザーボード
マザーボード自体は、PC-9801E、PC-9801Fと同じです。
BIOS ROMに違いがある可能性はありますが。

PC-9801Fと比較。フロント側。
Mのロゴが大きいこと、ドライブが異なる程度でしょうか。
実際2DDか2HDかの違いだけですが。

リア側。
上側がPC-9801Fです。歪みはカメラの影響の様子です。
PC-9801Fには、マウスインターフェースと1MB FDDインターフェース、メモリを追加しています。
2DDのインターフェースは、2Dのインターフェースとサイズは同じ様子ですね。
PC-9801FとPC-9801Mはドライプベイからファンのフレームが異なり、
PC-9801Fはファンがドライブベイに固定に対し、PC-9801Mはバックパネルに固定となっています。

イースIIを起動してみました。
後で思い出したのだけど、イースIIってPC-9801M対応なんですよね。
という事は、イースIIはフェードイン、フェードアウト以外はデジタル8色で作られていたということになります。

ベンチマークです。
CPUベンチは、初代PC-9801の1.74倍、64Kが1.32倍。
CPUが5MHzから8MHzと1.6倍になっている事が大きいですね。
Dベンチは、PC-9801DA(386 20MHz)の0.14倍でした。

PC-9801F2との比較です。PC-9801F2はPC-9801VM世代のNEC V30に交換しているので、
ノーマルの8086と比較するとパフォーマンス的に劣ってしまいます。

機種名   PC-9801 PC-9801F2 PC-9801M2
CPU Intel 8086 5MHz NEC V30(μPD70116) 8MHz Intel 8086 8MHz
FPU - Intel 8087 8MHz -
RAM 640KB 640KB 640KB
CPU Bench 初代PC-9801比 1.23倍 3.31倍 1.74倍
処理時間 55.802秒 29.861秒 39.232秒
64K 初代PC-9801比 0.93倍 1.74倍 1.32倍
64K 処理時間 74.196秒 39.305秒 52.135秒
Dhrystone Benchmark 300000回の処理時間 669秒 383秒 478秒
1秒間の処理回数 448.43回 783.29回 627.62回
PC-9801DA(386/20MHz)比 0.10倍 0.17倍 0.14倍
NDP (Numerical Data Processor)
Benchmark
100000回の処理時間 - 190秒 -
1秒間の処理回数 - 526.32回 -
PC-9801DA(386/20MHz)比 - 0.21倍 -

コメント

2025年現在、41年前のPCとなります。
PC-9801M2を当時中古ですが実家が購入してプログラムの基礎を学びました。
この当時は同様に使っていたかなぁ。確か外付けSASIのHDDを付けていた記憶があります。

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