NEC PC-9801VM21 (1986年11月)

マシンの近状

所有期間:2025年5月〜
ドライブの部品取り用でPC-9801VM21は2台入手したのですが、1台が思った以上に程度が良かったのでそのまま所有しています。
もう1台はマザーボードが電池の液漏れでビデオ周りのICが死亡していて、マザーをPC-9801VXのに交換。復活し結果的には売却。

基本、PC-9801VM21とPC-9801VX0/2/4はマザーが共通である事が実際に比較、動かしてわかりました。
VX01/21/41のマザーは変更されていて、80286 10MHzの対応の有無が違いとなります。

異なるのは、CPUカードとビデオカードですね。EGC搭載はVXのみで、VM21はGRCGのビデオカードでした。
VM21のCPUカード時はVX用のEGC搭載カードでも動作します。(VXのV30モード時相当の動作、多分GRCGのみ動作)
逆にVXのCPUボードにVM21のGRCG搭載ビデオカードを付けると一切起動しなくなります。

EGCとCRGCでどの程度コストが変わったかは不明ですが、無駄にコストかかっているなぁというのが正直な感想。
VM21を何に使うかは予定もないので置き物になっています。

NEC PC-9801VM21について

NECがPC-9801VX0/2/4発売の1ヶ月後である1986年11月にPC-9801VM2の後継機として発売されたモデルです。
PC-9801VM2からはメモリが640KBに、ビデオが標準で4096中16色に強化された点が変更点です。
またPC-9801VXシリーズから採用された「ピポッ」と初期チェック管理用時の音、メモリチェックの表示も対応しています。
後継のPC-9801VM11は1988年11月なので、PC-9801VM21は約2年間発売されたモデルとなります。
ゲームなどでPC-9801VM以降と書かれているモデルは実質PC-9801VM21以降が対象となっているケースが多いです。
これはPC-9801VM2は16色表示モードがオプションであった事、メモリが384KBで640KBでない事がありました。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。
1986年11月版

1987年11月版 (PC-9801VX01/21/41発売後)

PC-9801M2、PC-9801VM2と比較すると以下の通り。
PC-9801VM2のメモリ周りの拡張要素が数歳された感じです。

機種名 PC-9801M2 PC-9801VM2 PC-9801VM21
発売日 1984年11月 1985年7月 1986年11月
価格 415,000円 415,000円 390,000円
CPU Intel 8086 8/5MHz
NEC V30(μPD70116) 10/8MHz
RAM 256KB (最大 640KB) 384KB (最大 640KB) 640KB
ビデオ 640x400ドット 2画面 デジタル8色
GDC搭載 VRAM 192KB
640x400ドット 2画面 4096色中8色 (16色)
GDC+GRCG搭載 VRAM 192KB (256KB)
テキスト VRAM 12KB
※()は16色カード実装時
640x400ドット 2画面 4096色中16色
GDC+GRCG搭載 VRAM 256KB
テキスト VRAM 12KB

拡張スロット Cバス 4スロット
1スロットはメモリボードで使用済
Cバス 4スロット

FDD 5.25インチ 2HD(1.2MB) 2ドライブ 5.25インチ 2HD(1.2MB)/2DD(640KB)
2ドライブ
端子 デジタルRGB、モノクロ端子、プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2D(320KB)用増設FDD端子
5.25インチ 2HD(1.2MB)用増設FDD端子
キーボード端子、マウス端子
アナログRGB、デジタルRGB、モノクロ端子、
プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2HD(1.2MB)用増設FDD端子
キーボード端子、マウス端子
OS N88-BASIC(86) Ver 2.0 N88-BASIC(86) Ver 3.0 N88-BASIC(86) Ver 4.0

NEC PC-9801VM21の現在の仕様

SCSIカードを増設した以外はノーマル状態のままです。

モデル名 PC-9801VM212
CPU NEC V30(μPD70116-10) 10MHz
RAM 640KB + 4096KB (BUFFALO EMJ-4000)
サウンドカード PC-9801-26K互換サウンドカード (FM 3音+SSG 3音)
FDD NEC 5.25インチ2HD(1.2MB)
SCSI ICM IF-2770 + MOドライブ
OS Microsoft MS-DOS 5.0A

フロント周り。
見た目はロゴが違う以外は、PC-9801VX2と同じです。
電源ボタンは、PC-9801VX2と同じ茶色のボタンです。

リア周り。
こちらも見た目はPC-9801VX2と同じです。

マザーボード。
こちらもPC-9801VX0/2/4と同じマザーボードです。

CPUボード。
PC-9801VM21は、V30のみなので、ROMがサブボードではなく、一つのボードに収まっています。
空いているソケットは数値演算プロセッサのIntel 8087用ですね。



ビデオボードのサブボード。
上がPC-9801VM21用、下がPC-9801VX用。
VX用はEGCの搭載部分が異なります。該当する部分のICがVM21に搭載されるGRCGと思われます。

ビデオボードのベース側。
こちらはPC-9801VM21とPC-9801VX用は同一です。
実質、VM21とVXではCPUボードとビデオボードのサブ基板が異なるのみでした。

ベンチマークです。
V30 10MHzは初代PC-9801の8086 5MHzの2倍以上となっています。

PC-9801M2との比較

機種名   PC-9801M2 PC-9801VM21
CPU Intel 8086 8MHz NEC V30(μPD70116) 10MHz
RAM 640KB 640KB
CPU Bench 初代PC-9801比 1.74倍 2.73倍
処理時間 39.232秒 25.037秒
64K 初代PC-9801比 1.32倍 2.10倍
64K 処理時間 52.134秒 32.883秒
Dhrystone Benchmark 1秒間の処理回数 627.62回 937.50回
PC-9801DA(386/20MHz)比 0.14 0.21

コメント

2025年現在、38年前のPCとなります。
1985年に初代PC-9801VM2が1年、PC-9801VM21は2年、PC-9801VM11は1年程度販売されて同じCPUで4年販売されたので
ある意味1980年代の資産活用の長寿のモデルと言えます。
1990年からは486、386の32bit CPUの時代となったので、16bit CPUの終焉まで頑張ったと言えます。
アクション性のあるゲーム以外は、PC-9801VM以降というゲームが多かったので、PC-98ゲームの基準機といえます。

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