NEC PC-9801VX2 (1986年11月)

マシンの近状

所有期間:2025年6月〜
ジャンク品を安価に手に入れて、使える様にパーツ交換しました。
PC-9801VM21とPC-9801VX41があるのですが、中間の80286 8MHz時代のモデルが無かったので手に入れました。
外装やドライブは程度の良いPC-9801VX21からの流用ですが。

NEC PC-9801VX2について

NECが1986年11月にノーマルモードPC-9801初の80286 CPU搭載モデルとしてPC-9801VX0/2/4が発売されました。
VX0はドライブレス、VX2は5インチ2HD/2DDドライブが2機、VX4はVX2+20MBのHDDが搭載されました。

PC-9801VMで搭載されたGRCG(Graphic Charger)の改良版であるEGC (Enhanced Graphic Charger)がPC-9801VXに搭載されました。
EGC搭載機種は80286以上のモデルが対象で、V30モデルであるPC-9801VM21などでは非搭載となっていました。
PC-9801VX2は、Intel 80286 8MHzとV30 10MHz搭載でフロントパネルに10MHzと8Mhzのクロック切り替えスイッチがありましたが、
これはV30 CPUモード時のみに使えるスイッチでした。
これがスイッチが80286 CPUで有効になるのは、PC-9801VX0/21/41からとなります。

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。

PC-9801VM2と比較すると以下の通り。

CPUにIntel 80286とV30を搭載し、グラフィックが標準で4096色中16色にEGC (Enhanced Graphic Charger)搭載が違いです。

  PC-9801VM2 PC-9801VX2
発売日 1985年7月 1986年11月
価格 415,000円 433,000円
CPU NEC V30(μPD70116-10) 10MHz Intel 80286 8MHz
NEC V30(μPD70116-10) 10MHz

RAM 384KB (最大 640KB) 640KB (最大 4.6MB)
ビデオ 640x400ドット 2画面 4096色中8色 (16色)
GDC+GRCG搭載 VRAM 192KB (256KB)
テキスト VRAM 12KB
※()は16色カード実装時
640x400ドット 2画面
4096色中16色 GDC+EGC搭載 VRAM 256KB
テキスト VRAM 12KB
拡張スロット Cバス 4スロット
(#1〜#4 20bit対応)
Cバス 4スロット
(#1 20bit対応、#2〜#4 24bit対応)
FDD 5.25インチ 2HD(1.2MB)/2DD(640KB) 2ドライブ
HDD - -
端子 アナログRGB、デジタルRGB、モノクロ端子、
プリンタ端子、RS-232C端子
5.25インチ 2HD(1.2MB)用増設FDD端子
キーボード端子、マウス端子
OS N88-BASIC(86) Ver 3.0 N88-BASIC(86) Ver 4.0

NEC PC-9801VX2の現在の仕様

数値演算プロセッサの追加とメモリを4MB増設しました。
ただ80286は、386 CPUで搭載された仮想86モードがないので、MS-DOSでEMS利用はハードウェアEMSを使う必要があります。
あとサウンドボードでPC-9801-26Kを追加しました。
SCSIは必要に応じてMOドライブとHDDを付けています。

  PC-9801VX2
CPU Intel 80286 8MHz + 80287 8MHz
+ V30(μPD70116-10) 10MHz + Intel 8087 10MHz
RAM 640KB + 4096KB (BUFFALO EMJ-4000)
サウンドカード PC-9801-26K互換サウンドカード (FM 3音+SSG 3音)
FDD NEC 5.25インチ2HD(1.2MB)
SCSI ICM IF-2770 + MOドライブ
OS Microsoft MS-DOS 5.0A

フロント周り。
先代のPC-9801VM2と比較してシンプルになったデザイン。
キーボード端子が前面に移動してキーボードを付け離しやすくなりました。
これは初代PC-9801A(A MATE)シリーズまで続きました。
PC-9801VXの初代モデルは、電源スイッチが茶色でした。マイナーチェンジでボディ同色になっています。

ちなみに初代のPC-9801VX2の左側のリセットスイッチの横にあるクロック切り替えはV30モードのみで、80286 CPUでは8MHz固定でした。
このクロック判定はCPUボード上で行っており、80286 10MHz対応のPC-9801VX21のCPUボードを付けると10MHzで動作します。
ただBIOSで80826 10MHz動作時の処理がマザーボード側と不一致がある様子で、ピポ音が高速になったりと不具合が発生します。

PC-9801VM2のフロントはこの様な形でした。
周りの枠がなくなってシンプルになった感じですね。

リア周り。
PC-9801-26K互換のサウンドカードとSCSI I/Fカードを追加しています。

内部の様子。
上から見るとPC-9801VM21と違いはCPUボードにROMのサブボードがあるのが違いぐらいです。
BUFFALOのEMJ-4000の4MBのメモリを追加しています。

マザーボード。
PC-9801VM21と同じなのでPC-9801VM21の写真流用です。
バックアップバッテリーは、PC-9801VX2も同様に交換済みです。
出荷時は茶色と青色のバッテリーがありますが、青色のバッテリーは大体液漏れしていてマザーを破壊していることが多いです。
自分の所有しているのは茶色の電池でした。青色は大体表示不具合起こしていて売却していますが。

CPUボード。
数値演算プロセッサの80287 8MHzと8087 10MHzを追加しています。
80286CPUは、PGAタイプです。

ビデオカード。
真ん中の大きなチップは、EGCですね。

ベンチマークです。
80286 CPUと80287 FPUの測定結果。

V30、8087 10MHzの測定結果です。

PC-9801VM21、オリジナルのPC-9801VX21、そしてCyrix入れているPC-9801VX41で比較です。
V30 10MHzと80286 10MHzは約2倍、Cx486SLCとは約2倍。286とCx486はメモリ周りもあるのかクロック相応な感じですね。
 

機種名   PC-9801VM21 PC-9801VX2
CPUモード - V30 10MHzモード 80286モード
CPU NEC V30 10MHz
Intel 8087 10MHz
NEC V30 10MHz
Intel 8087 10MHz
Intel 80286 8MHz
Intel 80287 8MHz
RAM 640KB 640KB 640KB + 4096KB
CPU Bench 初代PC-9801比 2.73倍 2.73倍 4.56倍
処理時間 25.037秒 25.037秒 15.0627秒
64K 初代PC-9801比 2.10倍 2.10倍 3.42版
64K 処理時間 32.883秒 32.884秒 20.0965秒
Dhrystone Benchmark 300000回の処理時間 320秒 320秒 192秒
1秒間の処理回数 937.50回 937.50回 1562.50回
PC-9801DA(386/20MHz)比 0.21倍 0.21倍 0.35倍
NDP (Numerical Data Processor)
Benchmark
100000回の処理時間 157秒 157秒 176秒
1秒間の処理回数 636.94回 636.94回 568.18回
PC-9801DA(386/20MHz)比 0.26倍 0.26倍 0.23倍

コメント

1986年製ということで、2025年現在39年前のPCとなります。来年で40年。
この当時のPCはバッテリーの液漏れとフロッピードライブのコンデンサの抜けさえなければ、 大体動作しますね。
(電源のコンデンサも不安要因ですが1990年〜2000年代と比較すると頑丈)
こちらは保存機として残していくつもりです。

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