
マシンの近状
所有期間:2025年6月〜
社会時になって初めて購入したPCが、PC-9801VX4の中古でした。
時代は486の時代に始まるときに286 CPU。
まあ当時仕事のPCもPC-9801EX、その前はEPSONのPC CLUBだったので、286 CPUの抵抗は少なかったけど
主にゲーム用途だったのでサウンドボードつければなんとかなるという感じでした。
その時の思い出からPC-9801VX4が見つかれば買おうと思っていて動作品が少々お高かったけど買ってしまいました。
その後部品取りで手に入れたPC-9801VX21にCPUアクセラレーターが付いていて移植してパワーアップしました。
NEC PC-9801VX41について
PC-9801VXの第二世代のHDD内蔵モデルです。
HDD内蔵モデルは、5インチベイを一つ潰したPC-9801F3から始まり、PC-9801M3、PC-98XA model 3と発売され、
1985年10月に発売されたPC-9801VM4で、初めてフロッピー2ドライブ+HDD搭載となりました。
PC-9801VM4から1年後の1986年10月にノーマルモードで初めてIntel 80286 CPUを搭載してモデルチェンジしたのがPC-9801VX4でした。
初代のPC-9801VX4が8MHzのIntel 80286と10MHzと8MHzな切り替えできるNEC V30のCPUを搭載していて
フロントの動作クロック切り替えスイッチが使えるのはNEC V30のみでした。
そのPC-9801VX4から8ヶ月後に今回のモデルであるPC-9801VX41が発売されました。
EPSONが80286 10MHzで動作するPC-9801互換機であるPC-286を発売。動作クロックで劣るPC-9801VXのテコ入れモデルとして発売されました。
HDD搭載モデルであるPC-9801VX41は6万3千円の値下げを実施してHDD搭載で+20万円程度でした。
下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。
PC-9801VM4とPC-9801VX4比較すると以下の通り。
PC-9801VM4 | PC-9801VX4 | PC-9801VX41 | |
発売日 | 1985年10月 | 1986年10月 | 1987年6月 |
価格 | 830,000円 | 693,000円 730,000円(VX4/WN) |
630,000円 658,000円(VX41/WN) |
CPU | NEC V30(μPD70116) 10/8MHz | Intel 80286 8MHz NEC V30(μPD70116-10) 10/8MHz |
Intel 80286 10/8MHz NEC V30(μPD70116-10) 10/8MHz |
RAM | 384KB (最大 640KB) | 640KB (最大 4.6MB / PC-9801-51 1MB RAM x 4枚増設時) |
640KB (最大 8.6MB / PC-9801-52 2MB RAM x 4枚増設時) |
ビデオ | 640x400ドット 2画面 4096色中8色 (16色) GDC+GRCG搭載 VRAM 192KB (256KB) テキスト VRAM 12KB ※()は16色カード実装時 |
640x400ドット 2画面 4096色中16色 GDC+EGC搭載 VRAM 256KB テキスト VRAM 12KB |
← |
拡張スロット | Cバス 4スロット |
Cバス 4スロット (#2〜#4 24bit対応) |
Cバス 4スロット (#1〜#4 24bit対応) |
FDD | 5.25インチ 2HD(1.2MB)/2DD(640KB) 2ドライブ | ← | ← |
HDD | 20MB SASI HDD | ← | ← |
端子 | アナログRGB、デジタルRGB、モノクロ端子、 プリンタ端子、RS-232C端子 5.25インチ 2HD(1.2MB)用増設FDD端子 SASI HDD増設端子 キーボード端子、マウス端子 |
← | ← |
OS | N88-BASIC(86) Ver 3.0 | VX4モデル : N88-BASIC(86) Ver 4.0 VX4/WNモデル : MS-DOS 3.1 + MS-Windows 1.0 N88-BASIC(86) Ver 4.0 |
VX41モデル :
N88-BASIC(86) Ver 4.1 VX41/WNモデル : MS-DOS 3.1 + MS-Windows 1.0 N88-BASIC(86) Ver 4.1 |
NEC PC-9801VX41の現在の仕様
米国の今は亡きEvergreen Technologies社の486 SuperChipというCyrix Cx486SLC 20MHzを搭載したCPUに交換しています。
数値演算プロセッサのCx87SLCも搭載。
メモリはBUFFALOのEMJ-4000 + EXJ-4000のプロテクトメモリを8MBを増設しました。
これによって386以降の仮想86モードが利用できるようになり、OS標準でプロテクトメモリがHIMEMやEMSで有効活用できるようになりました。
HDDはオリジナルのNEC D3126 SASIの20MB HDDです。
D3126は3.5インチサイズ、ディスクは2枚、ヘッドは4個、平均シークタイムは85m秒、回転数は3564rpm、転送速度は625kB/sec。
ヘッドのシークは今のHDDの様に横方向に動くのではなく、フロッピーの様にスライドさせる形になっています。
外側からヘッドの動きが見える(モーターの回転が見える)という独特な形状です。
コンピューター博物館【日本電気】 D3116,D3126固定磁気ディスク装置
転送速度が無茶苦茶遅い。
例えば接続できる230MB MOドライブだと平均シークタイムは27m秒、回転数は4200rpm、転送速度は1.72MB/sec。
当時のHDDは10年後のMO以下かぁ。
NECのSASI規格のHDDは独自端子ですので互換品はありません。今の様なCF化などもないですし。
PC-9801RAやDAに搭載されているSASIの40MBはPC-9801VX41に搭載可能です。
SASIインターフェイスカードのDIPスイッチを外付けと同様に40MBの設定すれば認識しました。
PC-9831-VW2という外付け3.5インチを取り付けています。これPC-9801UV2のドライブ使用しているので結構でかい。
コンパクトな外付け3.5インチ FDDは結構いいお値段するのですよね。
PC-9801VX41 | |
CPU | Evergreen Technologies 486 SuperChip (Cyrix Cx486SLC 20MHz + Cx87SLC 25MHz) + V30 10MHz |
RAM | 640KB + 8192KB |
FDD | NEC 5.25インチ2HD(1.2MB) +NEC PC-9831-VW2 (3.5インチドライブ) |
HDD | NEC D3126 SASI 20MB |
SCSI | Logitec LHA-20 |
OS | Microsoft MS-DOS 5.0A |
フロント周り。
PC-9801VX2/21と比較すると幅が5cm広がっています。PC-9801Vシリーズ用キーボードの幅と同じです。
フロントのスリットがVX2/21がスピーカーのところだったですが、VX4/41はHDDの冷却用で広がっています。
マザーボードはVX2/21とVX4/41で同じですので、キーボード端子の位置が中途半端な位置になっています。
リア周り。
サウンドのPC-9801-26KとSCSI I/Fカードを追加しています。
VX4/41の特徴として、HDD用の増設I/Fが用意されていました。
電源は幅か広がったスペースで広がっています。
PC-9801VM21とのフロント比較。
5cmの差が出ています。スリットの違いがわかると思います。
PC-9801VM21とのリア比較。
真ん中にあるSASI HDDのインターフォースと幅の広がった電源が違いです。
内部の様子。
前側中央(写真では下側中央)にHDDがある事が分かります。
3.5インチですが厚みがある事...。
CPUボード。
CPUアクセラレーター付きに交換しています。
このCPUアクセラレーターはPC/AT互換機用の様子で、元々のソケットからピンタイプに交換していました。
元に戻せない仕様ですね。これは部品取りから移植したものなのでオリジナルのCPUボードも残っています。
CPU部分を拡大。
アメリカ オレゴン州にあったEvergreen Technologies社の486 SuperChipです。
CPUとしてCyrix CX486SLC-20MP、FPUとしてCyrix Cx87SLC-25QPが搭載されています。
オリジナルのCPUです。
ベンチマークです。
CPUベンチは、初代PC-9801の1.74倍、64Kが1.32倍。
CPUが5MHzから8MHzと1.6倍になっている事が大きいですね。
Dベンチは、PC-9801DA(386 20MHz)の0.14倍でした。
こちらはノーマルCPUのPC-9801VX21で測定した結果です。
PC-9801VM21、オリジナルのPC-9801VX21、そしてCyrix入れているPC-9801VX41で比較です。
V30 10MHzと80286 10MHzは約2倍、Cx486SLCとは約2倍。286とCx486はメモリ周りもあるのかクロック相応な感じですね。
PC-9801VM21 | PC-9801VX21 | PC-9801VX41 | ||
CPU | NEC V30(μPD70116) 10MHz Intel 8087 10MHz |
Intel 80286 10MHz | 486 SuperChip Cyrix Cx486SLC 20MHz |
|
RAM | 640KB | 640KB | 640KB + 4096KB | |
CPU Bench | 初代PC-9801比 | 2.73倍 | 5.67倍 | 11.58倍 |
処理時間 | 25.037秒 | 12.125秒 | 5.957秒 | |
64K 初代PC-9801比 | 2.10倍 | 4.29版 | 6.66倍 | |
64K 処理時間 | 32.883秒 | 16.063秒 | 10.332秒 | |
Dhrystone Benchmark | 1秒間の処理回数 | 937.50回 | 1948.05回 | 3249.41回 |
PC-9801DA(386/20MHz)比 | 0.21 | 0.44 | 0.79 | |
NDP
(Numerical Data Processor) Benchmark |
1秒間の処理回数 | 27.93 | 98.21回 | 2380.95回 |
PC-9801DA(386/20MHz)比 | 0.01倍 | 0.02倍 | 0.97倍 |
コメント
2025年現在、37年前のPCとなります。
自分の初めて買ったPC-9801VX4は1986年で1991年に5年落ちを安価に買った形でした。(給与安かったので)
ただ当時だと仕事のPCも286時代(確かPC-9801EX辺り)でしたので、上位機と比較すると遅いですが、
極端に遅いという時代ではありませんでした。
2年後ぐらいに友人がPC-H98sから買い換えるので譲ってもらって移行する形になりますが。
ちなみにこの当時のSASI HDDですが、電源断時のヘッド退避機能がなく、
MS-DOS上でSTOPキーを押してヘッドを退避させる儀式がありました。