富士通 FMV-DESKPOWER H(FMV-575D4) (1995年3月)

マシンの近状

所有期間:1995年6月〜1997年8月、2024年12月〜
現在所有は2代目。初代は1995年の6月に購入して、
1997年8月の FMV-DESKPOWER TII16購入時にTII16のモニタとセットに会社の同僚に譲りました。17インチモニタは長く使ったはず。
2代目は30年目を期にジャンク品として購入したものです。
マザー交換不可能な電池内蔵ICに問題があったものの同型番の部品取りPCからマザーを移植して復活。
HDDが当時のWindows 3.1が残っていたのはラッキーでした。(一部ソフトは無いですが)
同時の感覚を残す為にあえてWindows 3.1としています。

富士通 FMV-DESKPOWER H(FMV-575D4)について

富士通が低価格でAll In Oneでヒットしたモデルです。初代はワープロソフトのみでしたが2代目は表計算とセット、
一体型のモデルも追加、CPUは486DX4 100MHzかPentium 75MHzかとスペックも大幅アップしました。
またPentiumモデルは正式なPCIバス搭載モデルとなります。(Intelチップセットではないけど)

下の画像をクリックでカタログのPDFが見えます。


FMV-DESKPOWER(FMV-450sD3)と比較すると以下の通り。

  FMV-DESKPOWER
FMV-450sD3
FMV-DESKPOWER H
FMV-575D4
発売日 1994年10月 1995年3月
CPU Intel 486SX2 50MHz
Intel Pentium 75MHz (P54C)
FSB 25MHz 50MHz
チップセット ALI M1429G+M1431 ALI Aladdin (M1451+M1449)
セカンドキャッシュ 128KB 15ns SRAM 256KB
RAM FPM DRAM 8MB
最大 36MB
FPM DRAM 8MB
最大 128MB
ビデオカード Cirrus Logic CL-GD5428
(オンボード)
1MB
Cirrus Logic CL-GD5434
(オンボード)
2MB
サウンドカード サウンドブラスター16
PCI/ISA PCI 1スロット(1)
PCI/ISA/VLB 1スロット(1)
ISA 2スロット(1)
PCI 1スロット(1)
PC/ISA 1スロット(1)
ISA 2スロット(1)
HDD 420MB 540MB
光学ドライブ CD-ROMドライブ (サウンドブラスター16接続) CD-ROMドライブ
電源 AT電源
OS Windows 3.1
付属モニタ 15インチ(XGA対応) 17インチ(SXGA対応)

先代(初代DESKPOWER)は486SX2という微妙なCPUだったのが、上位モデル(DESKPOWER SX、H)はPrntium 75MHzを搭載した事、
チップセットがALI Aladdin (M1451+M1449)を搭載し、ビデオチップがCirrus Logic CL-GD5434 2MBとなりXGA解像度(1020x768)で
前モデルでは256色だったのが このモデルではVRAMが2MBへ増量されたことにより65535色へと強化されました。
またSXGA解像度(1280×1024)も256色で対応となり高解像度を使用したい需要に対応しています。
あとこの世代よりケースデザインも変更されて、このケースはWindows 95世代のFMV-DESKPOWERのデザインと言える物でした。
1997年11月にFMV-DESKPOWER S4世代でNLX規格のケースに移行するまで使われました。
Windows 95を迎えるハードとしては当時無難なスペックと当時は感じました。

下位モデル(DESKPOWER S)は486DX4、低コストの一体型(DESKPOWER C)はAMDのAm486DX4を搭載、ビデオメモリが1MBとままと
スペック的にはCPUが486DX系の100MHzとなった事が違いとなります。
SXとSは4万円程の差ですがWindows 95発売後は差が大きくなっていったので、SX、Hを買っていれば長く使えたと思えます。

富士通 FMV-DESKPOWER H(FMV-575D4)の現在の仕様

CPU Intel Pentium 100MHz (FSB 66MHz)
チップセット ALi Aladdin (M1451+M1449)
メモリ FPM SIMM 48MB (16MB x 2、8MB x 2)
ビデオ Cirrus Logic CL-GD5434 2MB (オンボード接続)
サウンド Creative Sound Blaster 16 (ISA)
HDD IDE-SD 8GB
光学ドライブ MATSUSHITA 4x CD-ROM CR-562
OS Microsoft Windows 3.1 / Windows95

フロント周り。ノーマルです。

リア周り。こちらもノーマルです。

このPCは、CPUを100MHzのPentium(FMV-5100D5の物)に交換、メモリ増設とHDDのSD化を行っています。
最大メモリにするにはFPM SIMM 32MBx4枚だけど、今だとなかなか入手しづらい。

ジャンクで購入した本体は一連の装備は付いていたものの、CMOS用のバッテリー切れで本体が立ち上がらない状態でした。
FDDはリセットされて無効化、HDDは540MBなので504MB以上が無効化されて認識できない状態。
このバッテリーが問題で、電池が交換できないタイプです。
下の写真のDALLAS DS12887というパーツです。

バッテリーの対処方法はサイドを削って端子を露出させ、そこにバッテリーホルダーを取り付けるらしい。

マザーを見ているとDALLAS DS12887はソケットタイプになっていて外す事が可能でした。
CMOSバッテリーが尽きたらこのパーツを交換しなさいという事か。

これはバッテリー交換でチップ壊す可能性があるなという事で別にジャンクを2000円で手に入れました。
そうするとこちらはバッテリーが生きていました。
こちらはBENCHMARQ bq3287MTですね。どちらもピン互換はあります。

という事でマザー移植しました。
使用するマザーボード
製造ロットの違いか、VRAMの1MB分がソケットになっている点と細かなパーツが異なっています。
左下がビデオチップとVRAM、中央下がチップセット、右下がCPUとメモリ、
左上がBIOSとI/O関係、中央上が電源とコネクタ類、右上がセカンドキャッシュという構成です。

バッテリートラブルのマザーボード
CPUのヒートシンクも向きが違いますね。

L2キャッシュメモリ拡大。
モトローラ製のMCM6206BAEJ15です。32KBの15nsのSRAMチップです。
8個あるので合計256KBとなります。

マザーボードが正常動作確認後は、HDDのデータをSDに複製して、SDから起動する様にしました。
SDの交換重視で、取り付け位置は増設用のHDDのスペースに付けました。

Windowsの画面です。
先代FMV-DESKPOWERと比較するとアプリの種類が増えています。

この世代から追加されたFM-MENUです。
Officeは元々アンイストールされていた。nifty-managerは誤って削除してしまいました。(汗

Windows95のエクスプローラーに相当するファイルマネージャーです。

今Windows 3.1をさわると、いかにWindows95が凄かったかを感じます。
というか、Windows 3.0系はこんなUIになっていたのだろうか...。
当時よく使ったいたなぁ、自分。

別のSDを使ってWindows 95にアップデートしました。
大分イメージが違いますね。

下のHWiNFOを使用するためにIE 5.5をインストールしました。
ネット系のAPIを使う場合はIEをインストールしないと解決できないとは。
あとサービスパック1もあてています。

 

CPU-Z Vintage Edition 測定結果

Windows 95系で動作する「CPU-Z Vintage Edition」を動作させてみました。
まずCPUの純正状態。

そしてFMV-5100D5から移植したPentium 100MHzに交換した状態。
FSBも50MHzから66MHzに変更していますがここは出ないですね。

チップセットはALiの1451という事が判ります。
ALiのAladdinシリーズの最初のモデルとなります。
BIOSは1994年1月1日らしい。

 

HWiNFO32測定結果

こちらも取得できる情報は少ないです。
こちらもCUP-Zと同じくL2キャッシュの認識はされていないですね。

CPU情報。

マザー情報

ビデオカード情報

HWiNFOのベンチマーク結果。MMX Pentium 166MHzなので当時のCPUとは違いますが。
まずオリジナルのPentium 100MHzの結果。

Intel Pentium OVERDRIVE Processor (MMX Pentium 166MHz)の結果

比較するとこのような感じ。1.1倍なのはL1キャッシュの増量の関係かな。
FPU(浮動小数点計算)はクロック相当の速度アップがありました。

CPU Intel Pentium 75MHz
Intel Pentium 100MHz
倍率
動作クロック 75MHz (FSBx1.5) 100MHz (FSBx1.5) 1.33倍
FSB速度 50MHz 66MHz 1.32倍
CPUベンチマーク 842 1124 1.33倍
FPUベンチマーク 842 1124 1.33倍
MMXベンチマーク N/A N/A -
メモリ転送速度 45MB/s 46MB/s 1.02倍

コメント

30年ぶりのFMV-575D4。バッテリー単体交換できないのが痛いですね。
該当のICチップもすでに無く、バッテリー交換可能にした互換ICはあるけど米国から個人で購入するのはしきいが高い。
このFMV-575D4はCMOSバッテリーが尽きると起動不可になるので、ストックの基盤をバッテリー対応はしておきたいところですね。
見る限りコンデンサーの問題はなさそうな感じです。

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